【大阪府環境 農林水産部 農政室整備課】わたしたちのSDGsを紹介
大阪府では、農家に対する農作物の生産技術指導、経営支援などの農業振興に加え、効率的に生産出来る農地や、農業用水を安定的に供給する水路・ため池の整備を通じて、農地の保全と活用に取組んでいます。
農地は食糧生産の場ですが、例えば、大雨が降ったときに、水田があれば雨水を一時的に貯留して河川の氾濫を抑制でき、災害の防止に役立っています。
その他、故郷を思わせる景観や、生物多様性の確保、地下水の涵養などにも役立っています。
農地から得られる様々な「恵み」を、将来にわたっても皆様に提供できるよう取組んでいます。
環境農林水産部農政室の取組み
https://www.pref.osaka.lg.jp/eneseisaku/kannou_sdgs/index.html
SDGsをはじめたはなし
大阪府の農政分野では、持続可能な社会の構築にむけ、SDGsが提唱されるより以前から様々な取り組みを進めてきました。 先ほど紹介した、防災、景観、水源涵養など、農業の多面的機能が注目されるようになったのは、農家の高齢化や減少で耕作放棄地の増加が問題となった時期と重なっていると思います。
私は、農業工学分野の専門職として平成4年に大阪府に入庁したのですが、すでに農地や農家数の減少が顕著になっており、農業は「儲からない」、「きつい」などの理由で産業としても下り坂になっていました。
その頃から、農業が衰退することに対する危機感が高まり、農地の空間としての価値が評価されはじめ、農地やため池、水路などを保全し活用するための方策について、本格的に議論が始まったと思います。
成功した、努力したはなし
大阪府では、農地や集落、ため池、農業用水路などが一体となった空間を「農空間」と名付け、府民と協力しながら維持・活用し後世に引き継いでいくことを目的とした条例を平成19年に制定しました。
具体的には、府内農地の約9割に当たる1万1千haを将来にわたって守るべき農地として条例で「農空間保全地域」に指定し、農家や農業団体を重点的に支援しています。
農業工学の分野では、農地やため池、水路などを整備するのが主な役割ですが、対象となる農地やため池などは、公共施設ではなくて、その多くが個人や農業団体などの所有物です。
その点で同じ公共事業でも、道路や河川などを整備するのとは大きな違いがあります。農家や農業団体の農地や施設を税金を使って整備することとなるので、農家以外の府民の皆様にとってもその効果として、新鮮な農産物の提供はもとより、災害防止や景観形成などの多面的な機能を享受出来ることを理解いただけるよう、様々な機会を通じて発信しています。
農地やため池・水路の整備には、関係する土地の所有者や、農業用水を利用する方々の理解と同意が必要です。このため、関係者の意見を調整するリーダーや、故郷の為にひと肌脱ごうという方々とともに事業を進めていきます。地域の発展や故郷を守るためという熱意には私も心が動かされます。我々も期待に沿えるよう頑張っていかないといけないと思いを新たにして取り組んでいます。
わたしのみらいのはなし
農地は、減少しながらもある程度残っていますが、農家数が大幅に減少していまして、これまでどおり農家の方だけで農地やため池、水路などを維持するのが難しい状況になっています。このために、農業に馴染みのなかった府民の皆様に農業に触れる機会を提供することで、大阪農業の担い手やサポーターとなっていただきたいと考えています。
農家の方々が農地を維持するため、どれほどのご苦労をされているかは、実際体験して理解する部分が多いと思います。農業に参加することで、農地を残していくために各自が出来ることを考えるきっかけにし、農業に関わる人を増やしていければと思っています。
コロナ禍を経て、在宅勤務の定着など働き方も変わってきていますので、これをチャンスと捉え、府民の皆様が農業に参加できる機会をもっと提供していきたい思います。
農業は地域の人々が共同作業で助け合いながら行ってきた歴史があります。現代でも農業を通じて、お互いが助け合える社会を実現できればと考えています。
大阪府環境 農林水産部 農政室整備課からのメッセージ
身近で出来ることでいうと、是非、「大阪産(もん)」を優先してご購入していただきたいと思います。「大阪産(もん)」の消費が増えれば増えるほど、他の地域から持ってくる量が少なくなり、コストも下がり、低炭素にもつながります。
また、お住まいの近くで農業関係のイベントがあれば是非参加してください。今はあらゆる産業で分業化、グローバル化が進み、農業でも自らが食する農産物が生産される過程を知る人は少なくなっています。
自然環境の変化に密接に関係する農業を通して生命を支える食糧生産の現場を知れば、持続可能な社会の構築を自分事としてとらえていただけると思います。
農業を身近に感じ、そして自らの生活の中に取り入れてみてください。
大阪府環境農林水産部農政室 整備課 田中さん
「なにわ農空間HOTORI」
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