【関西国際空港 藻場環境の創造】わたしたちのSDGsを紹介
関西国際空港では、多種多様な海藻が生い茂る「藻場」の造成や保全活動を行っています。
関西国際空港の外周は24キロ程あるのですが、そのほとんどを 「緩傾斜石積護岸」といって、斜めに埋め立てる護岸形状を採用しているんです。
斜めに埋め立てることで太陽の光が当たりやすくなる浅い場所ができるので、そこにカジメやワカメなどの海藻が育って、豊かな「藻場」を形成するんです。藻場は魚たちの住処 (すみか)となり、そこに海の豊かな生態系をつくることができます。実際に見てもらうとまさか大阪湾にこんな豊かな藻場があって、こんなにお魚がたくさんいるんだ!と驚かれるのではないかと思いますよ。
まさに関西空港周辺の海の中はお魚天国なんです。
関西空港でのSDGs取り組み https://www.kansai-airport.or.jp/sdgs
SDGsをはじめたはなし
関西国際空港で海!?魚!?どうして?と思われますよね。
関西国際空港は沖合5キロの海上に造られた空港です。かつての高度経済成長期においては、経済が大きく成長するとともに、大阪湾の埋め立てが進んでいく中で、自然や海の環境に関しては失われた時代でした。
そのような時代背景のなかで計画された関西国際空港は海の中に人工構造物をつくるので、豊かな海と共生していくという考えのもと、計画当初から海域環境との調和をめざしてきました。海の環境や騒音など、いろんな「環境」に対して、開港当初から、いや、建設計画の段階から配慮してきたんです。そこで計画されたのが、緩傾斜石積護岸を活用した藻場環境の創造なんです。
そういった意味では、SDGsの取り組みを始めたというよりも、これまで取り組んできた藻場環境の創造が、昨今のSDGsに大きく貢献する取り組みにつながっていると言えますね。
成功した、努力したはなし
やはり私たちの取り組みは自然や、生き物相手なので、今取り組んだことが成功するのかどうか、数年後にしか分からないんです。30年以上継続しているモニタリングの結果を活かしながら海藻の育成にチャレンジしていますが、何度も失敗しました。いつも試行錯誤をしながら取り組んでいます。でも、海の中の人工構造物であるこの空港が環境に貢献できているなと結果が見えた時は、とても嬉しかったです。
つい先日、私たちの藻場が生物多様性の保全に貢献する存在として、環境省が展開する「自然共生サイト*」に認定されたんです!こうやって先輩方の代から守り育ててきた藻場が、環境にいい影響を与えていると認めてもらえたことはモチベーションにもなりますね。
あとは、コロナ禍で航空需要が落ち込んでしんどい期間が続いた時ですね。
飛行機も飛ばないしお客さまもいない。そんな中でも経営陣は環境に対しての取り組みを決して止めなかった。売上がない中でも、 「歩みを止めるな」と、調査を続けさせてもらえました。
その経験が私たちチームの原動力になっていますし、私たちの信念にもつながっています。
*自然共生サイト…民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」として、環境省が認定する。
わたしのみらいのはなし
関西国際空港だけでなく、同じ大阪湾を共有する地元のみなさんとも一緒になって、豊かな海にしていきたいですね。最新の調査では、藻場面積が54ヘクタールあることを確認しています。54ヘクタールって想像がつかないと思うんですけれども、大阪湾の藻場面積のおよそ2割を関西国際空港の藻場が占めているんですよ。そういった意味でも豊かな海をつくって守っていく活動のモデルケースになっていけたらいいなと思っています。
藻場だけでなく、関西国際空港には脱炭素社会の実現に向けた水素の利活用プロジェクトにも積極的に取り組んでいます。これらの取り組みを進めながら、日本、ひいては世界のモデルケースになっていくような、そんな先進空港にしていきたいなというのが夢です。
私だけでなく、私たちチームのメンバーみんなの願いでもありますね。
家庭でできること
まずは海の豊かさを守るってなんなんだろう、世界や日本の海ではどういうことが起きていて、どうしないといけないんだろう、と興味を持って考えるということが大切なのかなと思います。
地球の面積の7割を占めている海は、地球の、命の源と言われていて、
私たちは食べ物も含めて海からたくさんの恩恵をうけていますよね。
そんな海を、私たちが出すプラスチックごみによって汚染していることを知らない方もいらっしゃると思うので、まずは興味を持ってもらいたいです。
あとは普段からきちんと分別をするとか、マイバックを持ち歩くとかですね !
関西エアポートグループの社員には、コンビニで袋をもらわずにマイバックを使ってる人も多いですよ!
興味をもって一歩行動に繋げてみる、一人一人が意識することで大きな変化に繋がっていくんじゃないかなと思います。
私たちがそういう一歩を踏み出すきっかけづくりになりたいですね。
毎日をスタートしよう!