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【日本フードエコロジーセンター】わたしたちのSDGsを紹介

食品会社などから出た食品廃棄物から、液体状の養豚用リキッド飼料を作る、
エコフィード事業の取り組みを行っています。
今までは食品廃棄物というと、水分が多いのですぐに腐敗してしまうというところに課題があったんです。安全性が第一の飼料なので、水分を飛ばして乾燥化しないと腐敗が進んでしまい飼料として使えない。しかしながら、乾燥化すると膨大なコストとエネルギーがかかってしまうので結局、輸入飼料よりも高くなってしまう。
そういった問題を解決しようと、ヨーロッパでチーズやバターを作る際のホエイ・ウイスキーやワインを作る際の廃液から豚の飼料が作られていることに注目をしました。
そこに日本の発酵文化を応用すれば水分が多い食品も利用する仕組みを作れるのでは、と考えてこのプロジェクトを始めましたね。食品廃棄物を破砕して加熱で殺菌処理しそこに乳酸菌を植え付けると乳酸発酵状態になるので腐敗が進まずに安定するんです。この技術で農水省から農林水産大臣省をいただきました。

SDGsをはじめたはなし

昔から、シートンとかドリトル先生とかの本が好きで、影響を受けていたんですが、一番私が体感したのは、小学校のころにいつも遊んでいた裏庭の雑木林が、ある日突然駐車場に代わってしまったんですね。その時に、なんだかなぁ…という気持ちになりましてね。
人と自然がうまく共存出来るようにならないといけないなと思っていましたよ。

その気持ちから獣医師免許を取って…
経済の仕組みで環境問題に取り組んでいかないと難しいなと思い、地球が継続的に人と共存できる道を探っていくことが大切じゃないかと強く思っていたんですね。

この「もったいない」という文化を持っている日本が、物を大量に廃棄してしまっている現実はいかがなものかと、これは何とかしないといけないと思いで25年ほど前から取り組み始めました。

成功した、努力したはなし

一番大変だと思ったのはやっぱり日本には規制の壁があることですよね。
新しいことをやろうとしても規制でがんじがらめになるというか、法律とか条例とか、現代にそぐわないようなものもたくさんあって弊害があるなと…非常に苦労しましたね。

でもそこで、きちんとした理論や現場の意見を伝えていけば、政治家や行政機関、そして国の審議会も動いてくれるんですよ。我々現場の人間が、現場の状況や課題を伝えることで、それならこうしましょうとか、条例を変えましょうとか。すぐに、というのは難しいんですが、時間をかけながら、積み重ねていって少しずつ変わっていっていますね。

こういう私の思いを組んでいただけるたくさんの方々に支えてもらって、
協力していただいて…非常に環境に恵まれたんでここまできたのかなと思っています。
周りの方々にサポートしていただいているな…ということは日々感じていますね。

わたしたちのみらいのはなし

目指すビジョンというのは、食品ロス問題を解決しながら持続可能な社会を作っていくということですね。

最近では飼料化に向かない油脂分の多い食品廃棄物等から、再生可能エネルギーをつくるという取り組みをしていますが、「飼料・肥料・エネルギー」これはそれぞれ日本が一番輸入に頼っているものなんですよ。輸入に依存せずに地域の資源を使ってつくりだしていきたいです。

そうして出来上がったサステナブルな肉や野菜やお米を、直接消費者が買えるような仕組み、例えば直売所や直営レストランを作ったり、ネット販売を充実させたり、生産者と消費者の直接のパイプを作って、より地域と連携していきたいなと思います。
畜産用語で、「耕畜連携」という言葉があるんですけど、地域と連携して持続可能な社会になっていけたらなと思いますね。そういう社会のモデルを我々がつくることで、多くの方に真似てもらい社会全体で社会課題の解決を目指していけたらいいですね。

家庭でできること

食品ロスというところでいうと、まずは食品ロス問題の背景にあるものを知ってほしいです。
例えば、チョコやポテトチップスの裏側を見てもらうと、植物性油脂と書いてあると思うんですけど、植物性油脂というのはパーム油のことなんです。パーム油は、マレーシアやインドネシアの熱帯雨林を伐採したところに植林をして、プランテーション農業のように現地の人たちを搾取しながら油を生産しているんですよ。
先進国が食の豊かさを享受する為に、CO2を吸収して酸素を作り出してくれる熱帯雨林をどんどん破壊していっている。
私たちが口にするものが、気候変動や地球温暖化の問題にダイレクトに結びついていて、大きな影響を与えているんだということをまずは知っていただきたいなと思います。

そうすれば、食べ物の裏側にある食料生産の難しさとか、改めて食べ物の大切さがわかると思うのでね。残さずに一日三食食べる、これだけでも食のあり方はだいぶ変わってくるのではないかなと思いますね。まずは知ってもらって実践していただくということが一つのSDGsの取組になるのかなと思います。

 

企業紹介
日本フードエコロジーセンター
エコフィード事業を行うなかで、常に心がけていることは「安心・安全」です。エコフィード事業によるリサイクルループ(循環型社会)の形成は環境への配慮とともに、価格に見合う商品価値があり、そして何よりも安心・安全な飼料であるという信頼をいただいて初めて可能となると、私たちは考えています。
2018年第2回「ジャパンSDGsアワード」最優秀賞を受賞。
〒252-0245
神奈川県相模原市中央区田名塩田一丁目17番13号
TEL:042-777-6316 FAX:042-777-6317
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